知り合いのところに、超軽度知的障碍児がいる。
IQは70~75
小学校から中学校まで地元の公立の支援級ですごし、高校進学時は、
支援学校か、専門学校かで迷い、
専門学校へ進学した。
本人も、その母親も、
見た目では、障害のことはわからないから、
もう、普通だと思っているし、そう思いたい様子だった。
「見た目でわからないからこそ、就職するときとか、そういう節目の時は、責任者だけにはきちんと話しておかなくてはならないんじゃないのかな」
と、余計なお世話でつい、言ってしまったが、
そのとき、母の表情が一瞬曇ったのをわたしは見過ごさなかった。
もう、子どもは大丈夫。
専門学校を卒業し、普通に就職できる。
何事もなかったことにできるんだ。
と思っていたい様子だった。
お子さんの様子をみてみれば、
ひとりで買い物し、つりの計算もできるし、
日常生活は自立している。
会話もできる。
だから、よっぽど説明しない限り、普通だとしか思われない。
でも、専門学校に通い始めて1年がたとうとしたころ、
そんなお子さんも、中退するかもしれないと言い出したらしい。
理由は、
自分は算数は得意で、成績もいい方だが、
国語が全くできず、漢字の読み書きができないからだそうだ。
結局、周囲がよけいな心配をしなくても、自分ではわかっているのだ。
アルバイトも始めたが、忘れ物があった日があって、
その日は出勤せずそのままアルバイトを休んだそうだ。
そんなことで仕事休んで、他の人が困るって考えないんだろうか。
うーーん。
普通にしか見えないから
普通に生きたい
そう願う、親子に、
この先、苦労するよ
というのは、大きなお世話なのである。