母親業

わたしがまだ働いていた頃、
結婚して子供を産んで、専業主婦になる女性を、
夫に養ってもらって悠々自適ねと言っている女性がいたが、
実はそうじゃないのです。
小さな子どもがいると、
働きたくても働けないのです。
ついでに、家の外にも身軽だったときと比べて気軽に出かけられないので、
お金を使うことも極端に少なくなるのですが。

小さな子どもにとって、母親と四六時中一緒にいて、
抱っこして欲しいときに抱っこしてもらって、
おなかが空いたときにおっぱいを飲ませてもらって
おむつが汚れたら取り替えてもらって、
眠いときに寝かしつけてもらい
お風呂に入れて綺麗にあらってもらって、
夜はお母さんの腕の中で安心して眠って、
守られていると感じることが、
人を信じる心をはぐくむことが、
どれほど大切なのかということが心理学的に立証されているというけれど、
エリクソンのベーシックトラスト)

小さな子どもを家でみていて、
外に働きに行って稼ぐことが出来なくなると、
もう、自分は駄目なんだな・・・って思ってしまう自分がいるのです。

いや違う。
今は、稼いで来たり、高い洋服を着て、メイクして、綺麗にしているよりも、子どもにたっぷりの愛情を注いであげるほうがどれほど価値のあることかと自分で言い聞かせようと、現代はやっぱり『お金の時代』なのです。

高いお金を払って、0歳児を保育園に預けて、
自分はフルタイムで働いてお金を稼いで、
そういう選択肢はもちろんあるけれど、
数十年前にアメリカで0歳児教育がはじまってから、
既に、母親との信頼関係を結ぶことが叶わなかった子どもたちへの悪影響が社会的に発表されているのだ。

思春期になって、子どもの心の中の寂しさが、怒りとなって、親を困らせることが多いと言われているのだから、自分は今、きちんと、自分の子どもを、娘が良い子だろうがそうでなかろうが愛そうと思ってはいるけれども。