ADHD疑いの子の多くが、愛着障害なんじゃないかと判断された理由

小学校の通級指導教室に通う児童の中で、ADHD疑いとして入級したが、実は愛着障害なのではないかと思われるケースが多いです。どこらへんで判断するかというと、ADHDの児童は、集団の中にいても、通級指導教室で1対1や1対2で接していても、同じような問題行動を呈してくるのに反し、”愛着障害”の児童は、1対1で接しているときは、問題行動を起こさないのです。

 

この子、本当に大変だから、先生お願いします! と言って、通級指導教室に通うようになった児童の中に、通級の時間内はとてもよいこで、いったい何が問題なのかしらんと思うケースがありますが、疑問に思ってクラスに授業の様子を見に行くと、担任の先生が自分に注目しないからという理由で、無茶苦茶暴言を吐いたり、教室から出て行ってしまったりしています。

 

①ひとつめのはんだん基準は、1対1の時と、1対集団の中にいるときとの様子が全然違うということです。

 

次は、対応の仕方が全然違うということです。ADHDの児童の不適切な行動は、スルーする(注意もしなければ褒めもしない)、よいことをしたら褒めるというのが鉄板ですが、”愛着障害”の児童は、ここでスルーしたら、担任に対して非常に攻撃的な態度を呈してきます。そこで怒って教室から飛び出していてしまいます。暴力をふるう子もいます。

 

愛着障害の児童の問題行動をスルーしちゃダメです。

 

ええーそんなの絶望的じゃないですか? という声が聞こえてきそうですが、最後の決定的な違いに、治るか治らないかっていうのがあります。ADHDは、治りません。うまい生き方を模索してなんとかがんばって適応していくしかないのです。本人も周りの人も。しかし、””愛着障害””は満たされれば治っていきます。それも、早いうちに見つけ出して対処することができた子ほど早いうちに改善していきます。

 

愛着障害の児童に対しては、母親との理想的な関係を、もう一度、学童期になってからやり直すより改善する方法はありません。”安全基地!””探索基地””安心基地”を作ってあげるしかないのです。しかし、絶望だけではありません。治っていきますから、ゴールはあります。