源氏物語@対岸の彼女

あさきゆめみし』を今更ながら読んだ。
この話の面白さは、大人になってからのほうがよくわかるだろうなと思った。
何故、高校時代に女三宮のくだりを古典の授業で習ったのかは謎。せめて桐壷あたりだったらあのころでもまだ分かったかもしれないが。

個人的には、よい家柄出身で光源氏に深く愛されながらも、子宝に恵まれなかった紫の上と、
家柄がよくないが、たまたま須磨に流された光源氏と恋に落ち、女の子を出産した明石の君が非常に仲が良いというのが興味深かった。

明石の君の出身の家柄がよくないという理由で、産まれた娘を紫の上に託すことになったが、
驚くことに紫の上はこのちい姫を立派に育て上げ、更に明石の君と親友同士みたいな付き合い方をしていたのだ。(ほとんどが文での付き合いだが)大人だな、と思った。

子供をもつ母の立場からどうしても読んでしまいがちなわたしだが、自分の子供を、自分の夫が一番愛している女性に託すっていうのは、本当に思い切りがいるものだし、また子宝に恵まれなかった紫の上からしてみても、自分のライバルの産んだ子供を代わりに育てるのってどんな気持ちなんだろう・・・。

あの時代に、これだけの作品を書き残したのだから、紫式部はすごいなと思った。