グレーゾーンの通級、支援学級

学校や、職場などですごすのに、困ることがあるのにも関わらず、発達外来に行くと、診断名が付かないことがあります。それは、即ち、診断名が付かないから、普通の人として生きていかなくてはならないという意味でもないということを、今回はお話ししましょう。

 

学校や、職場、主婦の場合は家事をするときに、困ることがいろいろ出てきて、途方に暮れ、そして発達外来に予約を入れて成育歴などのヒアリングを受け、何に困っているか話、場合によっては簡単な検査をすることもあります。そのときに自閉症スペクトラム障害だとかLDだとか、知的障害だとか、診断が下りる場合と下りない場合がありますが、それは、医学的な領域でサポートできる範囲が限られているからなのです。

 

だから、実際のところ、どれだけ児童精神科医のところで診断を仰いでも、大丈夫だと言われてしまう子供が、支援クラスを利用できたり、通級を利用できたりするわけです。なので、そういうお子さんをお持ちの親御さん方は、「うちの子を障害児扱いするつもりか!?」などと、お怒りにならず、お話を聞いていただきたいです。

 

医学的なサポートを受けられないお子さんの中にも、やっぱり困り感が強いお子さんが大勢いらっしゃいます。通級で受けられるのは、自立活動という科目です。それでは自立活動とはいったいどんな科目でしょうか??

 

自立活動とは。自立活動は、苦手なこと得意なことの差が大きめのお子様にたいして、苦手なことをフォローして得意に近づけていくという科目です。板書をノートに書き写すのが苦手なお子さんがいたとして、なぜ苦手なのか、短期記憶が苦手だから、板書を書き写すまでに忘れてしまうのか、識字障害があって、文字がぼやけたりゆがんだりしてしまうのか。そのあたりを、学校心理士の先生や、担任の先生や、支援学級の先生や通級の先生の間でよく話し合って、対応を決めます。通級に通うお子さんの多くは、中学校に入るころには通級は卒業しますから、高校受験は普通にできるケースがほとんどです。

 

また、支援クラスに入れば、普通クラスで行っていた勉強も、お子さんにあった進み具合で受けることができますから、授業についていけなくてつらい思いをすることもなくなることでしょう。知的な遅れがあるわけでもないのに、授業がわからなくて学校に通うのが辛いっていうのが一番つらくないでしょうか?