結局、療育センターに通う子供は、全員発達障害の診断が下りるのか? について

 

これについては、みなさん、興味があると思います。

療育センターに通うのには、医者の診断は必要ありません。医者の意見書さえあれば受給者証は発行されるのです。逆に、診断を待っていたりしたら、受けられる療育も受けられないまま数年経過することも考えられます。

なので、結果として、療育センターに通っていても、診断は下りないというお子さんもちらほらいます。理由としては以下のことがまず考えられます。

 

・IQが、 75以上ある場合は、知的障害として診断されないため。

・2歳くらいの子どもの場合、癇癪かパニックか見分けがつかない。

・2歳くらいのお子さんの知的な遅れが判明したところで、3歳くらいまでに追いついてしまうことがあるため。

・1歳から2歳くらいのお子さんだと、定型の子でも発達障害の子どもと同じようなことをする場合がある。

・実際に、言葉だけが遅れているというお子さんもいる。

・1歳から2歳のお子さんだと、そもそも社会性が育っていないので、同じ年のお子さんと社会的、相互的にかかわれるかどうかはまだわからないため。

・1歳から2歳のお子さんが、落ち着きがなかったとしても、3歳児以降の社会性の芽生えとともに、先生の指示が通るようになれば、発達障害とは診断されることはないため。

 

 

わたしが通った療育では、まめ子と同じ学年で、在籍していたのが、10人。

うち、保育園で行う心理士の巡回にいちども引っかからず、小学校1年生の普通級に入って行ったのは、まめ子を含めて3名。(女子は2人でしたが、2人とも普通級でした)。保育園の年長の時点で、診断が下りていないのは、5名で、心理士の巡回にひっかかっていない3名を除く2名が、知的ボーダーと高機能自閉症の未診断かと思われます。残りは、自己申告で聞いた子のことしかわかりませんが、診断名は黙秘! という方もいらっしゃいますので、不明です。おそらくほとんどが自閉症スペクトラム障害かと思われます。

 

診断が下りないケースでは、知的ボーダーが最ももやもやすると思います。保育園のお迎えに行くたびに先生にあれこれ言われたりしてへこんでいるお母さんもいましたが、それでも診断がなかなかおりないのは別にお母さんのせいではないとわたしは思います。

 

わたしが思うに、発達障害の世界には、いくつもの線引きというのがあって、学校教育の世界での発達障害の線引きと、医療の世界での線引きのラインが違うんだと思います。なので、より軽度の場合は、医療の世界で診断されるというラインまでいかないのにも関わらず、学校教育や保育の世界で困り感が出ており、発達障碍児(超軽度)ということで特別な配慮を受けているケースもたくさんあるように実際に感じました。

 

1から2歳児で、気になるところがあるからという理由で保健センターに相談し、療育を勧められ、医者に意見書を書いてもらい療育に通ったが、結局、定型発達児だったということは実際にあるのかもしれません。

 

定型発達児は、みんな、同じように育つと、断定的に書かれている方もいらっしゃいますが、実際は、定型発達児の群のなかでもあれが得意、これが苦手というばらつきはあります。保健センターの親子教室に通っていたけれど実際は定型発達だったというケースなんて特に得意なことや苦手なことのばらつきがあったのではないかと思います。

 

わたしも自分なりにいろいろ調べてみましたが、療育センターに通ったが、その後、全く問題なく成人まですごし、学校や心理の先生からなにか指摘されたこともないと言っている方も少ないながらいらっしゃいました。そういう方が、療育センターで講演会を行いたいと言っていて、周りから猛烈に反対されていましたが、そりゃそうですよね。空気を読みましょうという話です。

 

こういう記事を書くと、うちの子は2歳代で自閉症スペクトラムって診断されたけど、それってうちの子が重度ってことなの? とお怒りになるお母さんもいらっしゃいますが、診断というのは、困り感を持ったお子さんをフォローするために必要なものなのであって、困り感があるにも関わらず、なかなか診断を受けることができないお子さんたちが実際に少なからずいるということと、医学の世界でなかなか診断がつかないお子さんであっても、保育や学校の世界では、フォローを受けることができる、一昔前よりもちょっとは子供にとっては生きやすい環境になっているということです。逆にそれによってグレーゾーンのお母さんが余計つらい思いをしているという事実もありますが。