小児、発達障碍の診断基準 めやす

広汎性発達障害


以下の項目で4項目以上に該当→自閉症の可能性も考えて検討→診断基準の項目を確認


1. 人との相互交流行動の障害

1. 視線が合わない
2. 名前を呼んでも振り向かない
3. 要求以外は自分から話しかけることがない
4. 指さしをしない
5. 母親の後追いをしない
6. 1人でいても平気・迷子になっても平気(泣かない)
7. 1人遊びを好む・他の介入を嫌がる


2. コミュニケーション行動・想像力の障害

1. 会話ができない・会話がかみ合わない
2. 一度話していたことばが消える
3. 話し方が不自然(単調・平板・上昇調の話し方、外国人のような話し方)
4. 方向のある動作・単語の使用に誤りが頻回(手のひらを自分に向けてバイバイをする、お菓子が欲しいときに「あげる」と言って要求する、など)
5. 反響言語が多い
6. おもちゃに関心を示さない・おもちゃで遊ばない
7. ごっこ遊びをしない


3. 関心の障害

1. 文字・数字・商標・記号への著明な関心と記憶
2. 同じ物、同じやり方、同じ状況への強いこだわり

引用:南山堂『開業医の外来小児科学』p.641


注意欠陥多動性障害ADHD

注意欠陥多動性障害には大きく5つのチェック方法があります。


A. 1か2のどちらか
1. 以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヵ月間持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応しないもの。


不注意

a. 学業、仕事、またはその他の活動において、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な間違いをする
b. 課題または遊びの活動で注意を集中し続けることがしばしば困難である
c. 直接話しかけられたときにしばしば聞いていないように見える
d. しばしば指示に従えず、学業、用事、または職場での義務をやり遂げることができない(反抗的な行動、または指示を理解できないためではなく)
e. 課題や活動を順序立てることがしばしば困難である
f. (学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事することをしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う
g. 課題や活動に必要なもの(例:おもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本または道具)をしばしばなくしてしまう
h. しばしば外からの刺激によってすぐ気が散っってしまう
i. しばしば日々の活動で忘れっぽい



2. 以下の多動性―衝動性の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヵ月間持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応しない


多動性

a. しばしば手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする
b. しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる
c. しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ上ったりする(青年または成人では落ち着かない感じの自覚のみに限られるかもしれない)
d. しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない
e. しばしば”じっとしていない”またはまるで”エンジンで動かされるように”行動する
f. しばしばしゃべりすぎる


衝動性

a. しばしば質問が終わる前にだし抜けに答え始めてしまう
b. しばしば順番を待つことが困難である
c. しばしば人の話をさえぎったり、割り込んだりする(例:会話やゲームに干渉する)



B. 多動性―衝動性または不注意の症状のいくつかが7歳以前に存在し、障害を引き起こしている
C. これらの症状による障害が2つ以上の状況[例:学校(または職場)と家庭]において存在する
D. 社会的、学業的または商業的機能において、臨床的に著しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなければならない
E. その症状は広汎性発達障害統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患(例:気分障害、不安障害、解離性障害、またはパーソナリティ障害)ではうまく説明されない

引用:南山堂『開業医の外来小児科学』p.648