かなり昔に働いていた職場で一緒だった女性がいる。
彼女は３８歳で、独身だった。
かなり個性的な顔立ちでヘビースモーカーだったのが印象に残っている。
彼女には１０年以上付き合っている男性がいて、何度か浮気されているらしい。
そのたびに、自分のところに浮気相手から電話がかかってきて、彼と別れてほしいと言われたそうだ。
そのたびに、その浮気相手に自分の最愛の彼を譲ることに決め、そのあとに彼が泣きながら彼女のところに戻ってくるのだそうだ。
そういう言動は、誰にでもできるものではないと思う。
わたしだったら、こういう場合、彼のことをののしりまくった挙句、別れるという選択肢しかない。
「もう年齢のこともあるし、結婚とか考えてる？」
と聞いたら、
「彼が、友達の借金の肩代わりをしていて、そのせいでわたしに迷惑がかかるから結婚できないと言っているの」
という答えが返ってきた。
浮気はするわ、金銭的な心配をかけるわで、ダメダメな彼じゃんとわたしは思ったが、彼女はそんな彼にぞっこんなのだ。
そこまでしてまでひとりの男を思い続けることができるところあたりは、本当に恋愛の神様なのかもしれない。
